走姿顕心Vol,53 ~駅伝シーズンIN~

2021年10月を終えようとしていますが今年も残すところあと2か月。待ちに待った駅伝シーズンの到来ですね。この2年コロナ禍で参加できる大会やTVで視聴できる大会数も減るなか、全国のランニング愛好家の皆様のモチベーションの維持も容易でない状況かとお察しするところです。

私のブログもVol,52から久々のアップロードとなりました。お伝えしたい情報も多々ありましたが、コロナ禍での選手強化活動は何かと周囲への配慮も必要なため今になってしまいました。今投稿では、2021箱根駅伝>4回生卒業>春合宿>新入生入部>関東インカレ>夏の強化合宿>全日本インカレ>出雲駅伝までの流れで掲載してみました

別れと出合い

2020年度4年生 卒業

四年生卒業

箱根駅伝往路優勝、総合準優勝を勝ち取ってくれた4年生が2021年3月新たな道へ旅立ちました。渓太主将を中本当に「心にまとまりがあり仲の良い」学年でした。歴代全員が自己ベストを更新して卒業していった学年というのもは初めてだったようです。また、箱根駅伝界での珍しい女性主務の豊福を中心にマネージャーの土田、大矢の力は今後もずっと記憶に鮮明に残ると思います。区間賞を獲得した石津も競技者から離れるというのはもったいない気もしましたが、卒業生の皆んなが人から必要とされる人間、尊敬される人間になってもらうことを強く祈念してお別れをしました。

新入生入学

お別れの寂しさも束の間、3月の中旬過ぎから新一年性が続々と入寮し大学生の練習へ合流し始めました。沢山の可能性を秘めた卵をどのように温め孵化(ふか)させるか試行錯誤しているところです

2021年度1年生 入学

強化合宿

春の合宿

年間を通うじて数回の学校外合宿を行いまいますが、今年の春合宿は緊急事態宣言などもあり校内での練習が中心となりました。工夫をこらして校内・学校周辺でコースを設定してモチベーションを維持しました

夏の強化合宿

今年の夏合宿では、8月の月間走行距離900kmを目標に設定しました。この時期はとにかく地道に”コツコツ”と距離を踏み『力強い足』作りに取り組むことでロードシーズンの伸びしろを広げることになります。6月開催された全日本大学駅伝選考会では”後半の粘り”や”大舞台での力発揮”というところに大きな課題が残りました。”地道にコツコツ”というところが精神を着々と強くさせていきますが、今回「10km続く登り走」や「30kmロング走」の回数を過去2年に比べ多くメニューに取入れるなど思考を少しかえ取り組んでみました。

全日本インカレと出雲駅伝を終えて

9月の日本インカレでは3名の入賞者が出たものの主要大学の参加が少なかったこともあり、純粋に強さを測れる大会とはいえなかった。しかし大舞台を経験できた選手たちには少なからずとも自信になったとおもわれます。

全日本インカレ

  • 初日は午前中に1500mの予選が行われ、4組に望月(2年)と5組に濱口(1年)が出場しましたが決勝に駒を進めることが出来ませんでした。
  • 午後7時スタートとなった10000m決勝には三上(4年)、嶋津(4年)、フィリップ(3年)の3選手が出場しました。
    昨年の大会で2位に入っているフィリップは前半から好位置をキープし勝負のポイントを待ち、残り2000mでペースアップするとジェームス選手との一騎討ちになりました。ラスト100mの直線まで接戦を繰り広げましたが僅かに先着され昨年と同じく2位でゴールしました。一方、嶋津は第2集団を積極的に牽引し日本人トップを狙いながらレース終盤、前の集団から落ちて来た留学生選手を交わし残り1周の鐘では5位争いを展開、最後の直線に入り上田選手(関西学院大学)に先着されましたが6位という素晴らしい入賞を果たしました。
  • 男子5000m決勝が行われ新家(3年)が出場しました。前回大会は3000mSCで7位入賞を果たし、今年はトラック長距離の花形5000mで入賞に挑みました。台風一過の晴天で気温は30度近くまで上昇し我慢比べのレースになりましたが、集団の後方から徐々にポジションを上げラスト1周では5位争いを展開。初の13分台と入賞という目標を掲げ最後まで粘り抜き、14分08秒92で8位入賞を果たしました

強化合宿明け1週間で臨んだ今大会は疲労も抜け切れない状態でどれだけ戦えるか、強さへの挑戦を目指し出場しましたがしっかりと勝負できる走りができたのではないかと感じています。

出雲駅伝

今回、出雲駅伝は初挑戦でしたが目標を「3位以上」として大会に臨みました。選手の選考には少し時間がかかり悩まされましたが、先を見据えた先行逃げ切りの布陣で構成しました。予想以上に気温が高く、100%発揮できた選手が少なかったというのが今回の反省点となりました。3区のムルワ(3年)が2位まで押し上げると言う流れを作っただけに、TVをご覧の皆様には、後半区間の走りがより不甲斐ないものに映ったのではないでしょうか? 私自身、箱根駅伝への危機を痛感したところです。 
 どのような条件下でも「100%の力を出し切る精神コントロール」を課題に残し、7位と言う”苦みの残る”結果には選手たちも満足出来なかった様子でした。

箱根駅伝予選会

予選会が10月23日(土曜)に開催され、シード校以外の10校が確定しました。 今年の予選会出場校は今までになく各校強化を図り予選会に臨んできているようで、すでにシード権を獲得している大学も気が抜けないと感じたところです。また、昨今の厚底シューズの普及により、レースは年々高速化していますが、それに対応できる準備も進めなければいけないと思います。前97回大会は向かい風の影響などで有力校が崩れる展開になったが、今年は各校対策を強いていますし、どのような条件下でも持てる力を100%出し切る”心の走り”に徹して準備をしていくしかないと考えております。

箱根駅伝2022

2022年箱根駅伝は、前回優勝の「駒澤大学」や常に上位争いをしているレジェンド「青山学院大学」今回の出雲駅伝の優勝で勢いに乗る「東京国際大学」や上位争いを繰り広げた「國學院大學」、箱根駅伝の戦い方を熟知している「東洋大学」あたりがレースの中心に、オリンピック代表の三浦選手が在籍する「順天堂大学」や予選会トップ通過の「明治大学」あたりが割って入るような展開が想定されます。 指導する「創価大学」は昨年以上に前半で”流れをつかむ布陣”を組む必要があると考えます。各校にはスター選手がたくさんいますが、わたしは常に選手たちに「走るのは記録ではない、あくまで人間である」という事を伝え、駅伝は流れが重要でレースの流れに”臨機応変”に対応できる「順応力」と粘り強い走りの「忍耐力」という精神コントロールが2022年大会のキーワードになると思います。

あきらめなければ必ずチャンスは訪れると考えています

駅伝ファンの皆様へ

駅伝ファンの皆様、なかなか沿道での応援を許可されないと思いますが、ライブでご覧になる際にはぜひ運営管理車(監督車)から各チームの監督たちがどのような声掛けをしているかを注視してみてください、レースが動く瞬間が見えてくるかもしれませんよ。

また、箱根駅伝を目指す中学生や高校生の皆さん、『自分がどの区間を走ってみたいか』強くイメージしながら視てください。その思いはきっと叶います。私がそうだったように・・・・・・・。

箱根駅伝までの残り2ヶ月ですが、しっかりチームを作り上げていきます。応援してくださる皆さまに感動と衝撃を与える走りをお見せできるよう”ワンチームの精神”で2022年もチャレンジします。

執筆:榎木和貴(創価大学駅伝部監督)

 


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4 件のコメント

  • 「記録が走るわけではない、人が走る」
    榎木監督のこのお言葉を体現するかのように、創価の選手の皆様は記録はもちろんですが、それ以上に記憶に残る走りをされる方が多く、今年の箱根から、駅伝を見るのが以前よりも楽しくなりました。
    (特に、石津選手の競技人生ラストを飾った爽やかで力強い9区の大快走は忘れられません)

    ムルワ選手・嶋津選手のWエースは、走り終えた後の表情がいつも爽やかで明るく、走り以外の部分でも元気を頂いています。
    新家選手が退部しかけたという時のチームのエピソードを聞いて、あの強靭な襷には選手の皆さんの仲間を思う気持ちが込められているんだなと心があたたくなりました。

    迫る次大会も、区間配置を予想しながら楽しみに待ちたいと思います。創価駅伝チームの皆様、応援しています!

  • enoki yusuke へ返信する コメントをキャンセル

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