走姿顕心 vol.42 箱根駅伝2020

悲願のシード権獲得!

令和初の箱根駅伝となった第96回東京箱根間往復大学駅伝が1月2日と3日で、東京大手町〜箱根芦ノ湖間の217.1kmで開催され、3年ぶり3回目の出場となった我が創価大学は初のシード権獲得に向け挑み、皆様方からの盛大な応援の力により悲願のシード権を獲得できました。つきましては、監督総評としてご報告させて頂きます。

往路は存在感を示す走り

1区米満 (4年•大牟田)

記録:1時間 1分13秒 区間順位:1位 通過順位:1位

多くの箱根駅伝ファンが見守る中、乾いた号砲と共に21名の選手からが大手町の読売新聞社前をスタート。

前半から例年にないハイペースでレースは進むが、米満は常に冷静に対応。勝負ポイントとなる六郷橋では米満が満を持してペースアップするも流石の実両者揃いの1区は集団が崩れない。

下りに入り國學院の選手のロングスパートに一時は離されるが残り1kmから猛烈な追い上げを見せ令和初、大学初の区間賞で最高の流れを作った。

2区ムソ二 ムイル(4年•ケニア ムンゲソ)

記録: 1時間 7分58秒 区間順位:11位 通過順位:6位

トップでタスキを受けたムイルは、持ち前のスピードを生かし集団をけん引するも他校もエース級の選手が勢揃い、コース中盤の権太坂の登りで徐々に遅れ始めた。不調のなか最後まで諦めない走りを見せ区間6位で3区の原富へ繋いだ。

3区原富慶季(3年•福大大濠)

記録: 1時間 3分16秒 区間順位:11位 通過順位:9位

6位でタスキをもらった原富は追い付いて来た東洋と並走、後ろから東京国際の留学生の姿がみるみる大きくなり始め、横に並ばれた時には、そのスピードの違いに全く異次元の走りを感じた事だろう。

市街地から湘南海岸に入る頃には更に後ろから猛烈な追い上げを見せる駒澤に交わされるが我慢の走りで並走していた東洋大学を引き離す事ができた。

夏の強化合宿には故障で参加できず、『我慢の夏』となった。筋力補強などの身体作りを我慢強く時間かけて行って来た原富には、ここで忍耐力が育ったと思われる。

順位は落としたものの区間9位と言う好タイムで、平塚中継所でタスキを繋いだ。

4区福田悠一(3年•米子東)

記録: 1時間 1分55秒 区間順位:4位 通過順位:7位

チームでも絶対的な信頼のおける福田だが、タスキを受けると、まもなく前を行く早稲田・明治に追い付き7位争いを開始。

これまでの試合や練習でも勝負感の優れた選手と感じていたが、起伏の多いこのコースをしっかり分析・攻略し、中盤の勝負どころでペースアップをはかる。2チームを次々に引き離し、5区キャプテンの築舘へと繋いだ。

5区築舘陽介(4年•佐久長聖)

記録: 1時間13分12秒 区間順位:12位 通過順位:7位

再び早稲田、明治に並ばれるも粘りの走りで徐々に前方を行くチームを追い上げ、元箱根(18.5km地点)では5位を走る駒沢、帝京に並びヴォルテージはMaxに。

ラスト1km手前で5位争いから取り残されたが芦ノ湖の往路フィニッシュ地点には過去最高の7位でゴール。創価大学往路記録を実に12分も短縮し、シード権獲得に向け大きく前進した。

シード権獲得へ復路

2日目、芦ノ湖のスタートはトップ青山学院から遅れること6分18秒後、悲願のシード権獲得へ向けルーキーの葛西がスタートしていった。

6区葛西(1年•関西創価)

記録: 1時間 0分25秒 区間順位:16位 通過順位:10位

箱根駅伝名物『山下り』を走るのは1年のルーキー葛西。6位帝京、5位明治を追いかけスタートを切り、前半の登りで引き離されず食らいつく。

大会10日前に6区の出場を告げていたこともあり、コース下見はほぼ車のみ。しかし、一年生ながら世界クロスカントリー大会の出場などの大舞台を経験していることもあり堂々とした走りを披露してくれた。

終盤は徐々に順位を下げるが、小田原中継所ではシードラインギリギリの10位で右田に繋いだ。

7区右田綺羅(3年•熊本工業)

記録: 1時間 5分15秒 区間順位:18位 通過順位:11位

箱根駅伝初出場となった右田もシード権の10位をキープしようと前を行く中央学院に必死に追う。10km手前、ようやく背中をとらえるとしばらく並走。スタミナにやや不安を残す右田は15km辺りから徐々に離され後方から来た早稲田にも交わされ11位のシード圏外に。

TV観戦していた皆様もこの辺りはヒヤヒヤしながら見ていた事でしょう。しかし、夏合宿中に故障で走れない時に私と一緒に登山をし、その際に『絶対に選手として走る』と私と約束しただけに簡単には諦めない粘りの走りを最後まで貫き、同級生の鈴木へタスキを託した。

8区鈴木大海(3年•藤沢翔陵)

記録: 1時間 6分39秒 区間順位:9位 通過順位:11位

地元湘南出身の鈴木はシード権ラインのプレッシャーを背負い約40秒先の中央学院を追う展開でスタート。ポイントは終盤の遊行寺までに前のチームに追い付き勝負を掛ける事。追いつき先行したものの、残り1km手前で逆転され10位の中央学院との差は7秒と言う挽回を見せた。シード権が狙える位置で9区にタスキをつないだ。

9区石津佳晃(3年•浜松日体)

記録: 1時間 9分44秒 区間順位:6位 通過順位:11位

スタートしてから、僅か7秒の差を必死に詰めようと終始相手にプレッシャーを与える粘りの走りを見せるも、相手も有力選手でなかなか背中は近づいて来ない。それでも石津は果敢に攻め続け前を追う積極的なレース展開であったが、終盤は前を行く相手の区間2位の好走に圧倒されたのか、シード権まで55秒差に広がる形で鶴見中継所へ。

10区嶋津(2年•若葉総合)

記録: 1時間 8分40秒 区間順位:1位 通過順位:9位

「1分以内なら」なんとかなる。期待と希望を背負い、アンカー嶋津は勢いよくスタート。オーバーペースも心配されたが嶋津はとにかく「シード権を」と前を追い、6km地点手前で予想外の速さで10位の中央学院の姿を捉えた。

ここから誰もがビックリした場面であるが、全くスピードを緩まることなく後続を突き放しにかかり、気が付けば前方に9位東洋の姿までもはっきりと見え始めていた。その先には8位駒沢、7位早稲田の姿も大きくなっていた。

大手町のフィニッシュラインではチームメイト・駅伝ファン・家族が待ち受けるなかに、嶋津の勢いは衰える事なく飛び込んだ。

創価大学駅伝部は出場3回目の挑戦にして初のシード権獲得となる第9位でゴールテープを切ることとなった。恐れを知らないハイペースで走り切った嶋津は、見事区間新記録をマークする区間賞の快挙も同時に成し遂げた。

成長まらない選手たち

私が監督に就任して、『ワンチーム』『目標の具体化』『箱根とは?』を選手やスタッフと追求し11ヶ月が経ちました。結果的に今シーズン在籍選手42名中、自己記録を30名が更新した事がシード権獲得の大きな根拠となり、選手達の自信になったと思っています。

箱根駅伝直前に行った出場選手以外でのチーム内トライアル(3000m)でも自己記録を更新する選手がさらに続出しました。

箱根駅伝10人のメンバーに更なる勢いと自信を与えてくれました。

就任当初から感じていましたが、この大学の選手達は「素直な心」「考える力」をもっていました。

当初は私の指示を聞き、ただ練習を消化する、だけのメンバーが多かったのですが、「自分自身がどこに向かって、何をしたいか?」という事をずっと問い言い続ける事で、変化が生じ始めました。

箱根駅伝予選会及び本戦、と決して簡単に立てる舞台ではありません。当日、選手たちが冷静に状況判断し、レースを組み立ていく姿を見た時には大きな成長を感じずにはいられませでした。

今後、更に上のステージへの挑戦となりますが、「やるじゃん創価」の声をもっと多くの方々に発していただき「やっぱり創価!」と成れるよう精進していきます。

シリーズ「箱根への道のり」

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1 個のコメント

  • 榎木さん、今回は本当に素晴らしい采配に、只々、感動の連続でした。ありがとうございました
    榎木マジックには、毎回ウキウキ、ワクワクしていました。榎木さんが、本当に選手たち一人ひとりと丁寧に向き合い、懇談し、合意しながらの方向性を見出していく姿勢には、心から感動していました
    新体制もスタートしますが、榎木采配第2ステージ、大いに期待しています!

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