走姿顕心 vol.34 MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)観戦記

MGC【マラソングランドチャンピオンシップ】観戦記

東京オリンピックを来年に控え、いよいよマラソンの選考レースとなるマラソングランドチャンピオンシップ(通称:MGC)が9月15日に開催されました。

これまでマラソンの選考方法については、透明性に欠ける、選考者の主観が入る、などと物議を醸して来ました。

しかし、このMGCという選考方法が発表され、より明確に大衆の目前で【選考】が行われる事になりました。

オリンピックが開催される時期は、日本で言うところの『真夏』が通例。今回、MGCでは東京オリンピックのコースにほぼ近い設定、気象条件(東京オリンピック当日は6:00スタート)に合わせて実施されプレオリンピックさながらの環境で開催されました。

これまで、日本のオリンピック選手選考については12月〜3月の冬場(気温5〜15℃)の最も日本人ランナーが、記録を出しやすい時期に開催。

選考方法については賛否両論ありますが、今回の選考では、『指定された日時に自分の体調を合わせ結果を出す事ができる選手』『暑さに強い選手』が有無を言わさず選考されたわけです。

現日本記録保持者の大迫、元日本記録保持者の設楽、世界記録を持っている選手、でも夏場の悪条件で自己ベストタイムで走ることは難しい事も証明されています。

日本がメダルを取る為に精神力、管理力、様々な事を考慮しても、今回適任の選手が選考されたと感じるところです

レース回想

戦略と勇気

東京オリンピックの代表権を狙うのは男子30名、女子10名。それぞれの熱い想いを胸に『神宮外苑いちょう並木通りのスタートライン』に立ったことでしょう。

男子は号砲と共に設楽選手(Honda)が勢いよく飛び出し、1km付近で観戦していた私の前を通過する時にはすでに後続と約10秒の差が付いていました。その後もペースを緩めることなく20km地点では2分以上のリードを広げていました。

結果的に設楽選手は終盤失速してしまいましたが、誰もが選択をしなかった「前半から攻めるレース」を見事にやってのけた勇気には感動しました。これは彼が学生時代から貫いている決して守りに入らない”攻め”の姿勢。今後も貫いて観衆をワクワクさせて欲しいですね。

一方、集団でレースを進めた29名の選手はそれぞれに戦略があり各々の勝負ポイントを決めていた事でしょう。当日の気温、湿度、風、ライバル選手の位置、など様々な要素を見極めながら最終的に自身が1位でゴールするイメージを作っていたと思います。

給水

マラソンで唯一個人での創作を許されているのが、給水のスペシャルドリンクです。

汗をかきにくい冬場でも給水のタイミングを逃すと後半の走りに影響が出ますが、夏のマラソンでは更にレースへの影響は大きくなります。発汗量も増えるため5kmごとのスペシャルドリンクも『何を』『どう』補給するかが大切です。また、大会が用意するゼネラルテーブルも何が配給されるのかを事前に知り、補給していく事も必要でしょう。

ボトル内容物は選手それぞれの好みもありますが、vol.30で紹介させていただいたように終盤のエネルギーを維持するためにエナジーゼリーや電解質を多く含むスポーツドリンクなど様々。

我々が日頃使う体内への吸収が早いバイオ茶も密かに愛用されています。

道具

選手が自身で選択し装着できる道具としては、主にウェア、シューズ、時計 がなどがあります。それらのアイテム(道具)も年々進化を遂げています。

なかでもナイキが出している『ピンク色のシューズ』は参加選手の7割くらいが使用していたように感じます。

もう一つ目立ったのがGarminFourAthleteシリーズを着用している選手でした。GPS内蔵でタイム比較がリアルタイムにできたり、心拍数から疲労度を割り出したり、歩幅や足着地時の接地時間などもわかる優れもの。

今回GARMIN JAPANがマラソンランナーとして初めてサポートする佐藤選手(日清食品グループ)も27km付近までは先頭を伺える位置で粘っていましたが、残念ながら出場権獲得はなりませんでしたね。

勝負の分かれ目

レースが動き始めたのは25kmを過ぎ。20kmまでは独走する設楽選手を第2位グループの4名、中村選手、鈴木選手(いずれも富士通)、服部選手(トヨタ自動車)、大迫選手(ナイキ・オレゴンプロジェクト)が追い、その後を10名ほどの集団が追いかけていました。

27km付近では、2つのグループが1つになり激しい駆け引きが始まりましたが、結果から言うと先頭の設楽選手が落ちて来て、20km地点で2位グループを走っていた4名集団の3名が今回の1〜3位。第3グループは1番消耗が激しくなる25km付近から追い付く事に力を使い過ぎたことが、最後の最後での余力不足となった模様。

レース中の冷静な「状況判断」と「決断する勇気」が勝負の分かれ目になったのですね。

改めてマラソンにおける状況判断の重要性を認識し、これを箱根駅伝予選会にも置き換えて、『選手自身がしっかりした判断をレース中に行えるような指導』にも重要性を感じたところです。

日本代表の誇り

今日のMGCで男子2名、女子2名の東京オリンピックマラソン代表が内定しましたが、残る1枠の争いも楽しみですね。内定した選手は来年の東京オリンピックに向けて戦いは始まった事になります。

代表権を勝ち取った選手の皆さん、本当におめでとうございます。自国開催の記念すべきオリンピックで国民の期待は大きく膨らみますが、「日本代表の誇り」を胸にそれぞれの力を100%発揮出来るよう準備をして頂きたいと思います。


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