宮崎県駅伝四連覇の裏側

10月29日(土曜)、3年ぶりに宮崎県西都市の公認ロードコースに置いて、全国高校駅伝大会への出場をかけた『宮崎県高等学校駅伝競走大会』が開催されました。女子の部で優勝したのは4連覇を成し遂げた”小林高等学校女子駅伝部”で、大会の前評判は日大女子が優勢の中スタートを迎えました。その当日の模様から見ていきましょう。

1区 田中那奈(たなか・なな)3年

一区を務めたのは、チームのエース田中。普段の田中は積極的に先頭を引っ張りレースを組立てるのが持ち味であるが、今回相手の日大選手がここ最近目を見張る伸びを見せていた為、佐々木監督と綿密に打合せを行い”ラスト1kmまでは相手を伺い、5km地点までは我慢の走り”をする選択した。”珍しく監督と田中の意見が一致した”と関係者は話す。ラスト1kmあたりから田中が抜け出たが、田中はインターハイや国スポの800m入賞を収めており、得意のスピードでライバルを振り切り”襷”を2区へ繋いだ。 田中は、中学時代に走りのセンスを見抜かれバスケ部から陸上部へ転身(日南市吾田中学校出身)し、駅伝校を目指す事となった。

2区 西村真里奈(にしむら・まりな)3年

田中から襷を受けた西村は、今年度は故障に泣かされ、他の選手が強化合宿をこなす中、同じ練習ができず悔しい日々を行く度も送ってきた。他の選手から比べると総走行距離の少ない西村は2区4kmという距離には少し不安を覚える中でスタートした。しかし不安要素は微塵にも見えず終止攻めの走りで、13分39秒という好記録で3区片山へ襷を繋いだ。悔しい気持ちを忘れず”走れない時には人一倍補強トレーニングに励んだ”と関係者は言う。その事でメンタルが強化されたのだろう。チームでも一番メンタルの強い西村は、親元を離れ、福岡県平野中学校から小林高校へ”駅伝”を学ぶためにやってきた。

3区 片山乙葉(かたやま・おとは)2年

西村から”襷”を受け取ったのは、今回唯一2年生からレギュラー入りした片山。片山は普段の練習からその気迫がみなぎり、3年生以上に練習を積み上げてきた選手。夏の強化合宿後に足を痛めて、期待された新人戦は欠場を選択していた。見事に直近の1ヶ月で体調を整えてレギュラーに戻って”県駅伝”を迎えたのである。今回の駅伝は、この片山の頑張りで2位のチームに”40秒以上の差”を広げた事がアドバンテージとなり、勝利を勝ち取る事に繋がった。記録も9分49秒と区間記録まであと数秒の高記録であった。片山は熊本県小川中学校から、親元を離れて小林高校へ駅伝を学びに来た選手である。

4区 永田ひなの(ながた・ひなの)3年

片山から”襷”を受けたのは3年の永田。永田はチーム内で今年1番成長中の選手と行っても過言では無い。宮崎インターハイでは800mで入賞するスピード型のランナーだが、夏の強化で距離への不安を取り除く走り込みをしてきたと関係者から聞いている。その成果もありここ最近のレースは3000m種目に置いて9分台を安定して出している。駅伝当日も距離への不安は少しも感じさせ無い”終止攻め”の走りで、片山のアドバンテージに上積みして区間記録に”あと4秒”と稀に見る好記録でアンカーに襷を渡した。永田は宮崎県小林市紙屋中学校の出身で、小さい頃から小林のユニフォームを身近に見て育ち、駅伝部に入部した。同中学の先輩には藤田あい(現:豊田自動織機)がいる。

5区 榎木颯月(えのきさつき)

永田から”襷”を受けたのはチームキャプテンを務める榎木。新体制の始まった2月当初に足の疲労骨折が発覚し、どん底からの辛いスタートを迎えたが、中学までトライアスロンや競泳を経験した事もあり、スイムやバイク練習でその持久力を維持してきた。本調子に戻る兆しを見せたのは夏に神奈川県にある”日本体育大学”での定期記録会で、自己記録となる”9分38秒”を出せたあたり。本大会直前には、大分県で開催された瀬戸内駅伝に出場し、アンカーを務め九州の強豪がひしめく中、5人抜きの区間2位とチームのモチベーションを維持する走りをみせた。しかし『コロナによる練習制限などと悪戦苦闘するチームコンディションは厳しい状況であった』佐々木監督は言う。キャプテンでもある榎木は、自分の事と合わせてチームのメンタル面の立て直しの為に、県大会までの1ヶ月は注力し”ミーティングを繰り返し選手同士のコミュニケーションを深め士気を高めた”と話す。県駅伝当日は、ベストな仕上がりとは言えないものの3区片山と4区永田の作ったアドバンテージを使いながら、トップの座をキープする我慢の走りでアンカーの役目を果たした。榎木は都城市にある入学難関の”県立泉ヶ丘中学校”出身で、中高一貫校から駅伝の魅力に取り憑かれ、当時の先生や両親を説得して小林高校で駅伝を学ぶ事を選んだ。中学では陸上部はなかったものの、同校の高等部に教員として在籍していた小林高校女子駅伝部OGでもある”高久あきこ(旧姓:松本)先生”からもスポット的に指導を受けていた事も駅伝部へ進路を決めた事に繋がったのかもしれない。

佐々木監督

後援会から胴上げされる監督

チームを指導する佐々木監督は、”絶対に外せない通過点を今年も緊張感を持って戦いたい。この夏合宿は、より多方面から選手の強化にアプローチを試みた”と語る。佐々木監督は九州一周駅伝を走り、旭化成陸上部などとも肩をならべた経験をもつ名選手でもあった。今大会の優勝は”まだまだ通過点、全国入賞を視野に引き締めていきたい”と大会後に話していた。


合宿施設紹介

小林高校が強化を図った熊本県水上村に新設されたトレーニングルームは、最新のマシーンや低酸素ルームも完備され、陸上合宿に必要な施設や機材が全て揃ている。



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